「保育士 辞めてよかった」で検索したということは、あなたは今、辞めるかどうかを本気で考えているんだと思います。私は保育士を20年続けて、2021年秋に退職しました。今日は「辞めてよかったか」という質問に、一言では答えず、その後5年間の実際の景色を正直にお話しします。
「辞めてよかった?」に一言で答えられない理由

結論だけ知りたい人には申し訳ないのですが、私は「辞めてよかった」と即答はしません。保育の仕事自体を嫌いになったわけではないからです。20年のうち、認証保育園9年・株式会社の保育園4年・公立保育園1年(業務委託)・認可保育園2年・企業主導型保育園3年と、5つの形態の園を経験しました。担任だけでなく主任(半年)・園長(1年)・調理員(1年)も経験し、書類を「書く側」と「チェックする側」の両方から見てきました。それぞれの現場で好きだった瞬間はたくさんあります。
それでも辞めたのは、仕事が嫌になったからではなく、「両立の限界」がきたからです。早番・遅番のシフトと育児の両立が厳しく、休みも取りにくい。3回の産休を経て、末っ子が0歳児クラスだった年、私は「もう一度この働き方に戻るか、別の道に進むか」の分かれ目に立ちました。

「辞めてよかった」って聞かれると、今でもすぐには答えられないんです。保育の仕事自体は嫌いじゃなかったから。



じゃあ何が決め手だったんですか?
決め手は「副業が軌道に乗ったこと」でした。いきなり無計画に飛び出したわけではなく、副業で実績が出てから、開業届を出したうえで退職しています。この順番は、私の中でとても大事にしていたことでした。
辞めた直後の苦労――時給5円から始まった話


ここが一番正直に話したい部分です。私の副業は、かっこいい話から始まっていません。第3子の育休終了直前、クラウドソーシングでアンケート回答・文字起こし・単価の安いライティング・文字入力の仕事を取り始めました。時給換算すると、5円という時期がありました。
これは誇張ではありません。1件あたりの単価が数十円のタスクを、育児の合間にこなしていた時期の実際の数字です。「これで本当に食べていけるのか」という不安は当然ありました。それでもここで完全にやめなかったのは、「保育士以外の仕事を経験してみたい」という気持ちと、シフト勤務から離れたいという切実さが上回っていたからです。
この時期に手を出して失敗した副業もいくつかあります。
- メルカリで保育教材を物販 → 人件費を考えるとボランティア状態で断念
- noteでデジタルイラスト販売(初代アカウント) → 売上ゼロでリセット
- ブログ初回挑戦 → WordPressを立てただけで2週間で挫折
「辞めた後の道」は最初から一直線に開けているわけではなく、こういう失敗を何度も経由します。この記事を読んでいる方が今どこかの段階で迷っていたら、「それは失敗ではなく通過点」だとまず伝えたいです。
私が実際にたどった5つの選択肢


ここからは、時給5円期を抜けた後、実際にどう進んだかを5つに分けて話します。順番通りに進んだわけではなく、並走したり撤退したりを繰り返しています。
選択肢1:クラウドソーシング(時給5円期)
アンケート・文字起こし・単価の安いライティングから始めました。この段階の目的は「収入」ではなく「保育士以外の仕事に慣れること」だったと今は思っています。単価は低いですが、パソコンで仕事をする感覚・案件を受発注する感覚を掴めたのはここでした。ここだけで生活を成立させるのは現実的ではありません。
選択肢2:動画編集(500円→7000円で撤退)
自分でYouTubeをやってみたくて始めた動画編集が、結果的に退職の決め手になりました。PowerDirectorから独学で入り、案件で指定されたYMM4も独学で覚え、Instagramリール編集をメインに受注しました。単価は500円→1000円→3000円→5000円→7000円と上がっていきましたが、実は最後の7000円は「単価を上げたくて」ではなく「案件を切りたくて、あえて高くした」という撤退のための値付けです。動画編集を辞めても収入がゼロにならないよう、次の柱(AC素材)と並走させてからフェードアウトしました。
選択肢3:ACイラスト(自律収益・月5000円)
保育士の業務を楽にしたい思いから始め、メルカリ・note経由の失敗を経てACサイトに落ち着きました。最初は完全手書きで、AI導入後は1日10枚を1ヶ月続けた時期もあります。今はInstagram投稿自体は止めていますが、自動DM+過去リールの拡散+キーワード送信での自動配布という仕組みが動いており、月5000円ほどが「稼働しなくても」入ってきます。金額としては大きくありませんが、「働かなくても入る収入」を初めて実感できたのがこの経験でした。
選択肢4:SHIFT AI講師
2024年4月末にSHIFT AIへ入会し、同年9月から講師として業務委託契約を結びました。今は講座の企画・当日登壇・入学ガイダンスを担当しており、現状の収入の中心はここです。20年の保育現場での説明力・伝え方が、講師業に活きていると感じています。
選択肢5:フリーランス(複数の柱を持つ現在)
現在はSHIFT AI講師業を中心に、PR記事の依頼、ACイラストの自動収益を組み合わせたフリーランス5年目です。ひとつの収入源に依存せず、稼働しなくても回る仕組み(ACイラストの自動配布など)を増やしていく方向を意識しています。収入・失敗の詳しい内訳は別記事にまとめています。
→ 【元保育士×フリーランス5年目】3児ママの収入・1日・失敗7つの現在地
→ 元保育士がAIで稼げるようになるまでの話【時給5円から抜け出した7年間】



5つ全部を順番に成功させたわけじゃなくて、失敗と並走しながら今の形になった感覚です。
今だから言えること


今振り返って言えるのは、「辞めてよかった」かどうかは、辞めた瞬間には分からないということです。時給5円だった時期の私に、5年後にSHIFT AI講師として業務委託契約を結んでいると伝えても、きっと信じないと思います。よかったと思えるようになったのは、いくつもの失敗を経由して、自分に合う形が少しずつ見えてきたからです。
逆に、後悔していることもあります。もっと早く「保育士としての経験そのものが強みになる」と気づいていれば、時給5円期をもう少し短くできたかもしれません。20年の現場経験・複数の園形態を見た視点は、実は独立後にも一番役に立った資産でした。



じゃあ「辞めてよかった」って結局イエスなんですか?



今の状態を「はい」とするなら、辞めなければここには来られませんでした。ただ、それは辞めたから自動的に手に入ったわけではなく、失敗を重ねながら5年かけて作った結果です。
まとめ:転職先ではなく「辞めた後の景色」を見てほしい


この記事では、転職先の紹介ではなく「辞めた後にどんな景色が待っているか」を実話でお見せしました。時給5円期・撤退した副業・失敗した物販や出版、その先にたどり着いた5つの選択肢まで、ありのままの順番でまとめています。
辞める前に確認しておきたいことは、別記事「保育士を辞めたいと思ったら最初に読む記事」にまとめています。辞めるかどうかを決める前と、辞めた後の景色を見る前と、両方読んでから判断してもらえたらと思います。
あなたの「辞めてよかった」は、辞めた瞬間には分からなくて大丈夫です。その後の選択の積み重ねで作られていくものだと、私自身の5年間が証明しています。
