「保育士 辞めたい」と検索して、この記事にたどり着いたあなたへ。
まず伝えたいのは、「辞めたい」と思うこと自体は、逃げでも甘えでもないということです。私も同じ言葉を何度も検索しながら働いていた時期があります。
こんにちは、元保育士で3児の母(中学生・小5・年長)のfukuです。保育士を20年続けて、退職しました。辞めてから約7年たった今だから書ける「辞める前に確認してほしかったこと」を、当事者としてまとめます。
この記事は転職サイトの紹介記事ではありません。広告リンクもありません。「今つらい人が、今日の気持ちを少しだけ整理できる」ことだけを目的にしています。
「辞めたい」と思うのは、あなたが弱いからではない

私が辞めたいと思った本当の理由
私の場合、限界のきっかけは仕事内容でも人間関係でもなく、「わが子に”おかえり”が言えない」ことでした。
仕事を終えて学童に迎えに行くと、子どもはもう宿題を終わらせて待っている。「ただいま」と言う子どもに、家で「おかえり」と言ってあげられない。よその子どもの帰りを毎日笑顔で迎えながら、自分の子どもの帰りには間に合わない——この矛盾が、少しずつ積もっていきました。
保育の仕事そのものは好きでした。だからこそ「好きなのにつらい」という状態が長く続いて、自分でも理由がうまく説明できませんでした。

「辞めたい」って言葉にした瞬間、自分がダメな保育士になった気がして、誰にも言えませんでした。同じ状態の方、いませんか。
「もったいない」に縛られなくていい
退職を口にしたとき、周りから言われたのは「もったいない」「資格を活かさないの?」でした。この言葉は、思っている以上に重くのしかかります。私自身、「逃げているんじゃないか」という後ろめたさを長く引きずりました。
でも7年たった今、はっきり言えることがあります。退職は逃げではなく「選択」でした。そして資格も経験も、辞めた瞬間に消えるものではありませんでした。このことは記事の後半で書きます。
辞める前に確認してほしい3つのこと


「今すぐ辞めるべき」とも「続けるべき」とも、私は言いません。その代わり、私が辞める前に自分に確認した(一部は確認しておけばよかったと後悔した)3つを置いておきます。
①その「辞めたい」は園への不満か、仕事そのものへの限界か
同じ「辞めたい」でも、中身は大きく2種類に分かれます。
- 園への不満: 人間関係・園の方針・残業や持ち帰りの量 → 園を変えれば解決する可能性がある
- 仕事・生活構造への限界: 保育という働き方と自分の生活が両立しない → 園を変えても繰り返す可能性が高い
私は後者でした。どの園に移っても、「わが子の帰りに間に合わない」構造は変わらないからです。ここを取り違えると、転職しても同じ悩みをもう一度やり直すことになります。紙に「辞めたい理由」を全部書き出して、園の名前を隠しても成立する悩みかどうかを見ると、区別しやすいです。
②辞めた後の生活費を数字で確認したか
ここは、私が「もっとちゃんとやっておけばよかった」と後悔している部分です。
私は退職後、在宅で稼ぐ道を選びましたが、最初の時期はクラウドソーシングで時給換算5円以下という現実を経験しました。「辞めたあと何とかなる」は、数字で確かめていない場合、思っているより何とかなりません。
- 毎月の生活費(家族全体でいくら必要か)
- 収入がない期間を何ヶ月しのげるか(貯金÷月の生活費)
- 失業給付・扶養など、使える制度の確認
この3行を埋めるだけで、「いつまでに・どう動くか」が感情ではなく計画になります。逆に言えば、数字が確認できていれば「辞める」はぐっと現実的な選択肢になります。
③「辞める」以外の選択肢を知っているか
限界のときは、視野が「続ける or 辞める」の二択に狭まりがちです。実際には、その間にいくつも段階があります。
- 正社員からパート・時短に変える(同じ園で働き方だけ変える)
- 園を変える(保育士のまま環境を変える)
- 保育士資格を活かして保育園以外で働く
- いったん離れて、戻れる資格は持っておく(保育士資格は失効しません)
「辞める=保育士人生の終わり」ではありません。選択肢を知ってから決めても、遅くはないです。
「辞める」を選ぶ場合の選択肢マップ


確認した上で「やっぱり辞める」と決めた場合の、代表的な3ルートです。
別の園に移る
①で「園への不満」が理由だった人に合うルートです。同じ保育士でも、園の方針・規模・人員配置で働きやすさは大きく変わります。情報収集の手段として転職サイトや自治体の保育士就職支援などがありますが、登録する前に「前の園の何が無理だったか」を言語化しておくと、同じ失敗を繰り返しにくくなります。
保育士資格が活きる保育園以外の仕事
学童・児童発達支援・企業内保育・ベビーシッターなど、資格と経験がそのまま評価される職場は保育園の外にもあります。「子どもに関わる仕事は好き、でも今の園の働き方が無理」という人の受け皿になりやすい領域です。この選択肢は別の記事で詳しくまとめる予定です。
働き方ごと変える(私が選んだルート)
私は「子どもの帰りを家で迎える」を最優先にして、在宅で働く道を選びました。
正直に書くと、このルートはすぐにはうまくいきませんでした。スキルなし・実績なしの状態からのスタートで、時給5円の時期も、案件が取れず落ち込む時期もありました。軌道に乗るまでの詳細はフリーランス5年目の現在地の記事に正直に書いています。「在宅=楽」ではないことは、経験者として先にお伝えしておきます。
どのルートを選ぶ場合でも、次に待っているのが「園にいつ・誰に伝えるか」です。伝える時期と順番の考え方は保育士の退職、いつ・誰に言う?円満退職のタイミングと伝え方にまとめました。
辞めてから5年たった私が思うこと


今の私は、保育士時代に想像していなかった働き方をしています。それでも「保育士の20年が無駄になった」と感じたことは、一度もありません。
「わからない子に、どう伝えるか」を毎日考え続けた経験は、大人に何かを説明する仕事でそのまま活きています。相手のペースに合わせる力、保護者対応で鍛えられた伝え方——保育士のスキルは、保育園の外でも通用しました。



「もったいない」と言われた退職でしたが、経験は消えませんでした。むしろ、あの20年が今の仕事の土台になっています。
だから、いま「辞めたい」と思っているあなたに伝えたいのは、続けるにしても辞めるにしても、「積み重ねてきたものは消えない」ということです。これは慰めではなく、辞めた側からの実感です。
今日できる小さな一歩


大きな決断は、疲れているときにしなくていいです。今日は、次のどれか1つだけで十分です。
- 辞めたい理由を紙に全部書き出す(園の問題か、構造の問題かを分ける)
- 生活費の3行(月の支出・しのげる月数・使える制度)を埋めてみる
- 「辞める以外の選択肢」を1つだけ調べてみる(決断はまだしなくていい)
どれも15分あればできます。そして、どれをやっても「まだ辞めない」と決めても大丈夫です。あなたのペースで、あなたの選択をしてください。この記事が、その整理の入り口になれば嬉しいです。
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